毎度 御観覧いただき誠に有難うございます。
ここのところ随分と気温も上がってきて、日中は半袖で出歩ける日も増えてきましたね!
そしてお待ちかね
リクガメの屋外飼育シーズンの到来ですね!
とは言っても 当店のカメ亀ファームはまだ未完成ですので、もうしばらくは屋内飼育となりますが…
しかしリクガメ飼育は面白いですね!
生かす程度の飼育ならば容易ですが、きっちり仕上げる為の飼育は難易度が上がります。
我々は暑ければ脱げばいいし、寒ければ着込めばいい。
欲しい物は自由に買いに行けるし、食べたい物を食べたいたいタイミングで買ったり作ったり、外食したり。。。
ところがリクガメに限らず、我々に飼育されている全てのペットは飼育者が用意した【環境】が彼らの世界の全てで、与えられた餌は生きる為に全てを委ねるしかありません。
これは大袈裟でも誇張でもなく、紛れもない事実なのです。
リクガメの飼い方を検索すると、様々なSNS・ブログ記事・動画が出てきますが、エサひとつ取り上げても意見は分かれます。
全ての種に当てはまるわけではありませんが、個体その物に匂いはなく、鳴く吠えるといった事もなく、散歩も必要としない。
そして犬猫と比べると、小スペースで終生飼育が可能な種が多いと言う事で、実は犬猫よりも日本の住宅事情にマッチしたペットとして社会的認知度はかなり高まっていると感じております。
そのような事から今後益々 爬虫類飼育は増え続けていくものだと思っているのですが、未だに『これが正解』というきちんとした飼育方法が確立されていないのもこの分野なのです。
そんな確かな情報と飼育者の単なる思い込みが入り雑じった混沌とした検索結果から正しい情報だけを選び出して実践するのは非常に難しいと思います。
SNSを開けば繁殖に成功している方や、1種2種に絞って飼育について深く追究されているマニア様もおられますので、それらの方々の意見はとても参考になる事でしょう。
なんか前置きが長くなりましたが、、、
■導入初期・立ち上げ
当店ではWCには必ず駆虫、CBには様子を見て。
※犬猫だと母親から胎盤を通して移行抗体を受け取ると同時に寄生虫までもらってしまう事が多々ありますが、リクガメは卵なのでCB個体には不要では!?と考えています。
どの薬を投薬するかはケースバイケース。
リクガメにはイベルメクチンは禁忌とされていますが、過去にWCのモニターに投与して線虫を駆除し、その後 個体はバチバチに仕上げた事があります。
なのでトカゲなのかカメなのか、ホント種によって対象の寄生虫によって異なります。
当店ではポンプ・ゾンデで直接 胃まで挿入。
自身で出来ない場合は動物病院へ行ってください。
その駆虫の前に著しく衰弱していたり、脱水状態であれば温浴をします。
当店では水よりも分子が小さく吸収の良いポカリスエットや経口補水液をお湯で割って温浴を行います。
次に絶食期間が長いようであれば、活動の止まっている内臓を起こしてやる意味で流動食を胃に入れます。
青汁から様子を見ながら、少量の卵黄→どろどろに溶いたレプカル→卵黄+レプカルといった流れです。
この時、食う食わない関係なく置きエサで葉野菜を置いておき、自発的に食べるまで上記の給餌を続けます。
安心サイズまでの成長と体力・免疫の獲得は人工フードが手っ取り早いのですが、人工フードへの移行は葉野菜の食いが安定してからになります。
雑食性のリクガメにはモンキーフード・ピンクマウスを少量使用。
この段階ではとにかく食わせる、体力をつける事が最優先としています。
■温度・湿度
温度:30~35℃ ホットスポット38℃
ライトの真下に来たり、少しズレたり離れたりで、自分で丁度いい場所に移動しています。
湿度:50~80%
コウモリラン等のエアプランツが順調に育つ湿度が理想なので、飼育部屋にはエアプランツを置いておくと良いです。
■エサ・予防医学
当店の理念は新たにリクガメを迎えられたオーナー様が飼育に困らないよう
『健康的』
『正常な綺麗な甲羅』
この2つを目標に日々の管理・メンテナンスをしております。
元々 犬のブリーダーをしていた時から人間と犬の健康オタクみたいなところがありまして、各食材のアミノ酸スコアや生物価、欲しい栄養素の含有量が多い少ない、その栄養素の身体への作用・組み合わせ等がだいたい頭に入っていますので、人間とリクガメでは多く摂るべき栄養素の比率は全然違いますが、栄養素の作用の仕方は同じですので、これまで培った知識を応用しながらリクガメをはじめ、各生物に転用しております。
基本的には常食+副食
マズリ&レプカル>野草>野菜が常食となります。
副食+サプリは今現在 検証の段階ですので、公開は控えさせていただきます。
■OBJ京都/時しらず 飼育環境
エアコン+ビニール温室
高温多湿の環境を作ろうと思った時に、エアコン+バスキングライトで温度は上がるが湿度は下がる…
床材を常時過度に濡らせば雑菌の温床に…
という事で当店が使用しているのがビニール温室
ケージではなくトロ舟での飼育です。
特にベビーは高温多湿にて管理。
多湿と言っても床材ベチャベチャではなく、空気中の湿度の話です。
多湿と言っても、蒸れではありません。
※ビニール温室のファスナーを閉めた状態でバスキングライトを付けますと、20-30分で温室上部が38℃を超えますので、生体を入れる前に何分で温度が何度まで上昇するかのチェックが必要です。
当店ではファスナーを開けた状態でライトON
リクガメが目を覚ましてから環境を霧吹き等で十分に湿らせ20分ほど温室のファスナーを閉めます。
活性が上がったタイミングで餌を与えております。
夜間は先ずバスキングライトを消し、軽く霧吹きをしてからファスナーを閉めます。
エアコンをつけていると、どうしても空気が乾燥してしまいますので、甲羅の凸凹の原因の1つであるリクガメの居住空間の過度の乾燥を防げるのではないかと考えています。
長ったらしい文章になりましたが、ここに書き出した方法が、もし当店が飼育するならば、と言うか実際に当店で実践している飼育方法です。
※太いラインのザックリとした内容であり、成長期のベビーなのか、ヤング・サブアダルト、結石や腎臓への負担ケアを目的とした餌なのかの配分は調整しております。
※また種によって温度・湿度の調整も行っておりますので、全ての環境・全ての個体に当てはまるわけではございません。
予め御了承ください。
冒頭で書きましたように、ここに書いた事が飼育の答えではなく、一個人ショップのオーナーの思い込みを含めた検証中の飼育方法です。
どうか自己責任でこれは⭕これは❌と取捨選択されてみてはいかがでしょうか。
皆様のリクガメ飼育にほんの僅かでも参考になる事がございましたら幸甚です。
■イベラギリシャ
ヨークサックの痕がまだはっきりと見て取れるベビーでしたが順調に新しい成長線も出てきたので安心です!
リクガメの中では比較的飼育が容易と言われていますが、ベビーの間は油断は禁物。。。
■ニシセオレガメ(ベルセオレガメ)
駆虫・強制給餌・食い渋りとセオレ導入初期の通過儀礼的な苦労はありましたが、3頭仕入れて体重も増え、成長し始めております。
■ヒョウモンリクガメ(バブコック)
こちらもセオレ同様、駆虫・強制給餌、導入当初は度々あくび+鼻水が見受けられましたので、念のため抗生剤を投与。
今ではエサ食い抜群!よく歩き、よく食べております。
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